＜はじめに＞
皆さんは退職金制度について詳しくご存知でしょうか。
当たり前のようにもらえる印象がある退職金ですが、実は法律に定められているものではなく、退職金がない企業もたくさん存在します。
特に、派遣社員の方や契約社員の方は例外もございますので、ぜひご参考になさってください。

＜そもそも退職金とは？＞
そもそも退職金とは、勤めていた企業を退職するにあたり、企業から支払われる賃金のことを指します。これらは法律で定められたものではなく、会社ごとの就業規則に基づいて決まるものです。
法律で定められていないことから、退職金が支払われなくとも企業に責任はないということになります。

では退職金の支払われ方にはどのような種類があるのでしょうか。ここでは3つのパターンをご紹介いたします。
⑴退職一時金制度
従業員が定年や自己都合などにより退職する際に、一時金を支払う制度のことを指します。
そもそも一時金とは「一時的に支払われる給与」のことを指し、これにはボーナスや期末手当も該当します。
通常の給与とは別に支払われることから、この制度が一般的に退職金制度として浸透しているのではないでしょうか。
ただ、こちらの収入には所得税や住民税がかかるため、その点は注意が必要です。

⑵企業年金制度
企業年金は企業が従業員の生活を守るため、企業が原資を拠出し、支給する年金を指します。
一時金のように退職のタイミングで大きく支払うのではなく、分割をして支払う方式が多いため、企業にとってはキャッシュフローの問題で大きな助けになります。
退職金といえば、定年や退職のタイミングで一度に大きい額が支払われる印象をお持ちの方は、企業年金制度について調べてみるのも良いかもしれません。

⑶前払い制度
退職金の前払い制度は、通常の給与や賞与に退職金で与えられる分を上乗せして支給する制度を指します。企業目線で見れば、こちらも一度に出る負債を少なくできることが大きなメリットで、利用する会社も増えています。退職一時金制度では一度に大きな額が出る上、それは負債として扱われてしまうため、投資家や取引先の与信審査でマイナスの評価が付けられることがあります。しかし前払い制度ではこうした心配はないため、企業にとっても導入するメリットが大きい制度です。また、個人にとっても一度に大きな収入が得られないデメリットはありますが、コツコツ貯金をするタイプの方にとっては検討の余地がある制度になるでしょう。

＜なぜ企業は退職金を支払うのか？＞
平成15年の時点で、退職金制度がある企業の割合は86%にも上り、日本の企業の大半は退職金を支払っていることがわかります。企業にとって任意であるはずの退職金を支払う理由には、優秀な人材の確保や、長期間で勤務をしてもらえるような囲い込みがあります。
ご転職や就職活動をされている方は、自分の志望する企業にこのような制度があるのか、一度確認してみてはいかがでしょうか。
また、こうした制度があるのであれば、どのような支払い制度を用いているのか、自分にはどのくらいの退職金が入るのか、などを働く期間と合わせてシュミレーションを立ててみることも大切です。

＜派遣法改正によって、派遣社員にも退職金が適応される？＞
2020年に行われた派遣法の改正によって、「原則派遣労働者への退職金の支払いをしなくてはならない」というルールづけが決まりました。
この派遣法改正で大きく謳われているのが、「同一労働同一賃金」です。これは正社員や非正規社員などの雇用形態に関わらず、同様の職務をしていれば同じ待遇を受けるべきという考えです。従来は派遣社員と正社員で同じ時間、同じ内容で仕事をしているにも関わらず、収入や待遇面で大きな差が出ていました。しかし、この派遣法改正により、2020年4月からは大企業で、2021年4月からは中小企業でも施行をされることが決まり、多くの会社で導入が始まっています。

同一労働同一賃金についてはこちらの記事をご覧ください。
▼「同一労働同一賃金」とは？｜概要から導入後の日本社会の予想までを徹底解説！
https://job-koken.jp/column/douitsuchingin/

退職金の支払い方法も上記でご説明をしたものと同じく、一時での支払いと、時給などに上乗せして支払う方法があります。
ただし、全ての派遣社員が退職金を受け取ることができるわけではないので、注意が必要です。
もらえない場合の多くの理由は勤務期間です。勤続期間3年以上が条件になるため、3年以上働かない場合は退職金をもらうことはできません。
また、時給に上乗せをする場合でも、これは「給与」として計上されるため、社会保険料の控除が上がってしまうこともデメリットになります。
派遣法改正により待遇改善がある一方で、このような注意点には注目が必要となります。

＜さいごに＞
今回の記事では退職金制度について詳しく解説をいたしました。
まずは自分が勤めている企業では退職金が出るのか、転職先や就職希望先の企業はどのような制度があるのか、細かく確認をしてみることから始めましょう。
老後の資金に関しての議論が活発になっている昨今、退職金の有無は仕事選びに大きく影響します。
目先だけでなく将来の暮らしを見据えて、退職金制度に関して調べてみることをおすすめいたします。

株式会社コーケンでは、こうしたお役立ち情報を毎月配信しております。
働き方や生活スタイルに関する記事を中心に取り揃えておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

▼【「老後2000万問題」とは？】〜注意点と今からできる老後破綻対策をご紹介！〜
https://job-koken.jp/column/rougo2000man/

▼【早期退職とは？】背景や退職後の展望についてご紹介！
https://job-koken.jp/column/er/

▼【労災保険とは】基本的な知識から計算方法までを徹底解説！
https://job-koken.jp/column/rousaihoken/

＜新潟県で求人をお探しなら人材派遣のコーケンで！＞
株式会社コーケンでは県央地区及び中越地区を中心とした人材派遣事業を行っております。
勤務時間を選べることや入社後のサポートなど、幅広い支援で求職者の皆さんをサポートしてまいります。

▼株式会社コーケンの求人一覧はこちら！
https://job-koken.jp/
▼株式会社コーケンの「お役立ち情報」はこちら！
https://job-koken.jp/column/