2020.12.22
これから働き方はどう変わっていくの?派遣社員でもテレワークは可能?
2020年は新型コロナウイルス対策による緊急事態宣言により、テレワークやリモートワークを導入する企業が増え、ニュースでもかなり話題に上がりました。企業ごとに急な判断や対応が迫られるなか、正社員、契約社員、派遣社員の対応方法の違いでもさまざまな意見が飛び交っていたことが記憶に新しいです。正社員も契約社員も派遣社員も一律テレワークやリモートワークなどの在宅勤務に切り替えられた企業もあれば、出勤日を減らしたりシフトで調整したりしながら対応していた企業もありました。テレワークやリモートワークが可能な職種であれば、業務効率化やライフワークバランスのためにも在宅勤務を選択できる方が良い場合もあります。そもそも、なぜ雇用形態の違いによりテレワークやリモートワークが「できる・できない」という格差が生まれてしまうのでしょうか。今回は、テレワークとはどのようなものか、知っておくべき点や気に留めておいた方が良い点、そして、派遣社員などの非正規雇用がテレワークできるために確認しておくべきことなどについてご紹介していきます。
テレワーク・リモートワークとは?
2020年の春先から導入する企業が増え、ニュースやSNSなどでも聞いたり見かけたりする機会が多くなった「テレワーク」や「リモートワーク」。以前から既に導入していた企業もありましたが、実際にどのような状態で働くことをいうのか、あまりよくわかっていない方もいるのではないでしょうか。
「テレワーク」とは、総務省のサイトによると「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されております。また、一般社団法人日本テレワーク協会のサイトでは、「情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと」、更に「働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つに分けられます」と定義されています。
テレワークの推進|総務省
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/
テレワークとは|一般社団法人日本テレワーク協会
https://japan-telework.or.jp/tw_about-2/
そして、「リモートワーク」は言葉の通り「遠隔で働く」という意味で、「テレワーク」と同様、会社のオフィス以外の場所(自宅やカフェなど)で仕事することです。ほかにも、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス」などの呼び方があり、ほぼ同じ意味合いで使われています。
正社員と派遣社員の違いって?
次に、正社員と派遣社員の違いについてもお伝えいたします。派遣社員は、「人材派遣会社と雇用契約を結び、人材派遣会社と契約をしている企業に派遣して働く社員」のことをいいます。正社員や契約社員と派遣社員との大きな違いは、勤めている会社(派遣先)と雇用契約をしている会社(派遣元)が異なるところです。そのため、保険などの福利厚生や勤怠管理などの就業のルールが、正社員と派遣社員では異なります。派遣社員は雇用契約を派遣元(人材派遣会社)と結んでいるため、就業場所、勤務時間、業務内容が変更になる場合は、契約内容を変更する必要があるのです。
テレワークをはじめる際に注意すべき点
企業がテレワークの導入を進めるには、オンラインでやり取りできるツールなどの用意と、セキュリティ対策が必要です。会社に勤務していた時から、勤怠やチームでのやり取りをオンラインツールを利用していた場合はテレワークへ移行しやすいですが、手作業や紙を使用したやり取りがメインだった場合は、社員全員のオンラインツールを手配して準備したり、データのクラウド共有などのルールを徹底するのに時間や費用を要します。また、その利用方法のマニュアル作成や、情報漏洩しないためのセキュリティ対策の徹底も重要です。
現在勤務している企業が、今後テレワークの導入をはじめる可能性もあります。その際は、会社で導入したオンラインツールの使い方を覚えたり、自宅で仕事をする環境を整えたりすることが大切です。また、外出先のカフェや喫茶店、コワーキングスペースなどの不特定多数の方がいる場所で作業を行う場合はネット環境や席を離れる際のパソコンのロックに注意する必要があります。
派遣社員も条件をクリアすればテレワークが可能?
新型コロナウイルス対策での面でもそうですが、そもそも「働き方改革」による労働格差を無くすという観点からも、国は派遣社員も「テレワーク」できる体制にすることを推進しています。厚生労働省では、派遣先の企業に対し、直契約の正社員や契約社員と同様に派遣社員もテレワークに切り替えるよう、働き方についての対応を要請しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた 派遣労働者に係るテレワークの実施について(要請)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000609460.pdf
2020年4月の緊急事態宣言が発令される前などは、ニュースで非正規雇用のテレワークについて話題に上がることが多かったのですが、柔軟に対応しはじめている企業も増えているように感じます。しかし、派遣先の企業がテレワーク移行の環境が整った場合でも、自宅にネット環境がなかったり、落ち着いて仕事できる環境の確保が難しかったりする可能性もあります。そして、派遣先がOKであっても、派遣元の就業規定に派遣社員の在宅勤務がOKとルール化されていない場合もあるので、予め確認しておくと良いでしょう。
これからの働き方を考えるきっかけに
これからはますます働き方の多様化が進み、その時々のライフスタイルや人生の変化によって仕事の内容や雇用形態、働く場所や時間などが変化していくでしょう。そして、その流れに柔軟に対応できる体制を整える企業も増えていくのではないかと思います。フリーランスやダブルワーク、パラレルワークやワーケーションなど、既に自分らしい働き方を見つけている方もいるかもしれません。テレワークやリモートワークを導入する企業が増え、通勤時間がカットされたことにより、時間の活用方法が増えた方もいらっしゃるのではないでしょうか?どのように働いてどのように暮らしていくのか。ぜひいろんな方法を見つけて動いてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は「テレワーク」や「リモートワーク」のことを軸に、最近の社会事情のことも含めてお伝えいたしました。非正規雇用の派遣社員でも「テレワーク」を可能としている企業も増えてきています。企業の柔軟かつ先を見越した対応が、働きやすい環境を作り出して、業務の効率化に繋がるかもしれません。もし、これから就職活動や転職活動を考えている方がおりましたら、会社の企業理念や就業規則などに注目してみるのも良いかもしれません。