2020.05.29
地方移住して仕事を探そう!主な仕事の種類や新潟県の移住支援策について
都会暮らしで消耗し田舎でのスローライフに憧れる人は多く、最近では若年層にもその人気が広がっています。そんな地方移住で困ることといえば仕事探しです。田舎には仕事がないとよく言われますが、本当のところはどうなのでしょうか。
この記事では地方移住でおすすめの仕事を5つご紹介します。また移住先として特に若者からの人気を集める新潟県の移住支援策についても触れているので、地方移住を検討している方はぜひ参考にしてください。
地方移住する人が増えている背景とは
定年後、第二の人生を謳歌するための選択肢の一つとして人気の地方移住ですが、最近では若いうちから地方への移住を検討・実行する人が増えています。
その背景としては、2014年に政府が「地方創生」を掲げたことが理由の一つとして考えられるでしょう。地方創生とは、地方自治体の人口減少を食い止めることにより日本全体の活力をあげようとする政策のことです。
また、地方移住希望者と地方自治体とのマッチングを行う認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの理事長は、若者の地方移住を加速させている要因として大きいものはSNSの普及であると指摘します。地方へ移住した若者がSNS上に田舎暮らしの魅力を写真付きで投稿することで、それを見た若者の移住思考が強まっているのだそうです。
以前に比べ、アルバイトや派遣などの非正規労働者やフリーランスが増えるなど、働き方が多様化していることも地方移住希望者を増やす要因といえるでしょう。
さらに、首都圏では土地代が高くつくためマイホームを持つことが難しく、通勤のたびに満員電車に揺られなければならないなど、生活環境は決して良いとは言えません。こうした環境でがむしゃらに働いて出世レースを繰り広げるより、田舎でのびのびと暮らしたいと考える若者が増えているのです。
移住先でおすすめの仕事5選
地方移住を検討する際、懸念事項となるのが就職先についてです。よく「田舎には仕事がない」と言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。
たしかに地方の求人は首都圏に比べて数が少ないことは事実です。また、職種も限定的になります。地方のなかでも、限界集落にあたるような小規模地域で希望の仕事を探すことは特に難しいでしょう。
もともと希望の職種がない方であれば、地方移住でも就職に困ることは少ないはずです。「この仕事がやりたい!」と明確な意思を持っている場合、移住先でその仕事が出来ないようであれば移住自体を諦めるべきかもしれません。
そうしたデメリットを踏まえても、自然あふれる田舎でのスローライフに憧れる方は多いですよね。ここでは移住先でおすすめの仕事を5つご紹介しますので、田舎暮らしを検討している方は参考にしてください。
1.地域おこし協力隊
地方おこし協力隊とは、正確には仕事ではなく制度です。隊員は地方自治体が用意した地域活性化のための仕事を行い、その給料として16〜20万程度を国から受け取ることができます。
地方への移住を考えているけれど、就職先について決めかねている人にはこの制度の活用をおすすめします。場合によっては家賃が無料になるため、移住に関するコストを抑えたい方も要チェックです。
ただし、地域おこし協力隊は最長3年間という期限付きの制度なので、隊員はこの期間中に定住の準備を進める必要があります。地方での生活に慣れるとともに、必ず次の就職先を決めるようにしましょう。
2.農業
農業は田舎ならではの自給自足生活を夢見ている方にはおすすめの仕事です。
地方では農業をはじめとした一次産業が主流ですが、後継者不足によりやや衰退傾向にあるという見方もされています。このことは地方移住者にとっては有利かもしれません。農業の場合でいえば、畑や田んぼなどが余っているため、すぐに仕事を始められる可能性があるからです。
また今後はAIを活用してビニールハウス内の温度・湿度の管理を行ったり、ドローンで農薬の散布や餌やりを行ったりと、業務にIoTの技術が導入されると予想されています。大変なイメージのある農業ですが、こうした技術革新によって未経験者でも簡単に参入できる未来はそう遠くないはずです。
なお、農水省の農業次世代人材等資金制度を活用すれば資金援助を受けることができるのも地方移住者にとっては嬉しいポイントでしょう。
3.店舗を持って開業する
整体師や美容師など、もともとスキルを持っている人なら独立して地方にお店を持つこともおすすめです。都内で店舗を構えようとすれば多額の初期費用を用意せねばならず、毎月の家賃も高額ですが、田舎であればいずれも格安になります。
カフェやレストランで働いている人なら、田舎で空き家を安く購入し、おしゃれにリノベーションして古民家カフェ、レストランをオープンしても良いでしょう。
その他では民宿やペンション、ゲストハウスの運営も人気です。近年はビザ緩和の影響を受けて外国人観光客が増加しており、地方への旅行者も格段に増えています。
現在は国内産業の多くが縮小傾向にありますが、古民家を活用した宿泊業は今後も成長が見込まれる注目の分野です。
4.介護・福祉関係
少子高齢化社会において、介護・福祉関係の仕事は全国的に慢性的な人手不足に悩まされています。地方は都市よりも高齢者が多い傾向にありますので、こうした職種へのニーズは一層高く、比較的すぐに就職できるでしょう。
介護・福祉関係の仕事には無資格でも就業可能ですが、未経験者の場合は「介護職員初任者研修」の受講を求められることが多いです。この研修に合格すれば食事や入浴、排せつなど、利用者に直接触れながら介助を行う「身体介助」を行うことが出来るので、正社員への道が開けます。安定を求めるなら、積極的に受講しましょう。
5.製造業
中小企業のなかでも最も多いのが製造業です。地方には大手企業の工場がたくさんあり、安定的に仕事が続けられることが魅力といえるでしょう。
製造業では寮付きの求人を出しているケースが多いため、地方移住に際して住まい探しをする手間を省けます。寮があれば通勤のストレスが減るでしょうし、見知らぬ土地でも友人や仲間を作りやすいというメリットもあります。
残業が少ない会社であれば、休みの日に農作業をしたり登山や釣りをしたりと田舎らしい趣味を満喫することも出来るでしょう。仕事とプライベートを明確に分けたい方にはとくにおすすめの仕事です。
新潟県が実施する地方移住支援策について
近年、地方への移住を考え実際に実行に移す人が増えているということは前述のとおりです。ふるさと回帰センターが実施した2018年の移住希望ランキングによれば、20代以下の若者が希望する移住先として挙げたのが新潟県でした。
新潟県は移住促進に力を入れており、インターネット上における移住希望者向けのPR活動を活発に行なっています。たとえば、にいがたU・Iターン総合サイト「にいがた暮らし」がその例です。また首都圏では新潟への移住に関する相談窓口を4つ置き、年間30回以上セミナーや相談会を開くなど、こちらでもPRに余念がありません。こうした施策の結果が若者人気を獲得する理由のひとつになっていることは間違いないでしょう。
そんな新潟県には地方移住支援策として、東京圏からの移住者に最大100万円を支給する仕組みがあります。一点の要件を満たした単身者には最大60万、2人以上の世帯には最大100万円が支給されるので、地方移住を考えている方にはこの仕組の活用をおすすめします。
要件には移住先や就職先の指定など細かい決まりがありますので、詳しくは新潟県ホームページをご確認ください。
まとめ
近年、幅広い年代から人気を集める地方移住。田舎での豊かなスローライフに憧れてはいても、移住先で就職できなければ生活すらままなりません。もし地方への移住を考えている場合は就職先を明確にした上で初期費用など移住にかかるコストを見積もりましょう。
数ある移住先のなかでもおすすめな新潟県は、要件を満たした移住希望者に支援金を支給する制度を設けています。希望の移住先にこうした制度があるかどうかを確認することも大切です。
移住先での仕事についてこだわりがない人には寮付きの求人を探すことをおすすめします。製造業を営む工場の多くでは寮を用意しており、住む家を探す手間を省くことが出来ます。工場からほど近い寮からの通勤であればストレスがかかりませんし、見知らぬ土地でもすぐにコミュニティに馴染めるでしょう。