2020.12.22
地方で働くには何から始めたらいい?どんな求人があるの?
働き方が多様化し、ワークライフバランスを考える方も増え、社会もどんどん変化している昨今。今年は特に「リモートワーク」や「テレワーク」を導入した企業もたくさんありました。また、観光地などでテレワークを活用して仕事をし、働きながら休暇をとるという過ごし方の「ワーケーション」も広がり、地方へ引っ越して自然あふれる環境で生活を送りながらテレワークを利用して仕事をするという方も増えています。そのように、働き方とともに今まで“当たり前”と思って過ごしていた生活や通勤などを、改めて見直してみようと思っている方もいるのではないでしょうか?今回は、地方での働き方についてや、どのような求人がどれくらいあるのかなど、をご紹介していきます。地方で生活をし、地方で働くことを考えている方はぜひ参考にしてみてください。
都会と地方での生活や働き方の違いについて
都会の生活も田舎の生活も両方経験されている方は環境の違いをわかっていますが、今までずっと都会で生まれ育ってきたけれど、これから都心から離れた地方で暮らしたいと考えている方はいろいろ不安に思う部分もあるのではないでしょうか。都会生まれ都会育ちの人、田舎生まれ田舎育ちの人、田舎生まれ都会育ちの人、都会生まれ田舎育ちの人など、さまざまな方がいます。住む場所や買物や学校や病院の場所などの生活環境はもちろんですが、仕事の種類や求人数など、地方にはどんな働き口があるのかも気になりますよね。
これまでは、地方で生まれ育った方が就職のタイミングを機に、都会に上京して働く…という流れが多かったですが、今後はその流れも多様化し、生き方や働き方の選択も増えていくのではないでしょうか。リモートワークやテレワークを導入する企業やできる環境が進めば、地方に居ながらもさまざまな企業で働くことができますし、リモートワークをしながら、副業で地方や田舎でしかできないような仕事(農業や観光業など)を両立できるかもしれません。また、都会で生まれ育ったけれど、生活環境が肌にあわず、のんびりした暮らしをしながら働きたいと考えている方なども、仕事のやり方や働き方が広がれば選択も広がります。
地方にはどれくらいの求人がある!?
地方には一体どのような内容の仕事があるのでしょうか。そして、都会と地方では求人数や内容にどのような内容があるのでしょうか。その前に1つ知っておきたい言葉として、「有効求人倍率」というものがあります。「有効求人倍率」とは、ハローワーク(公共職業安定所)の月間有効求人数を、月間有効求職者数で割ったものと定義されています。厚生労働省が算出していて、転職情報サイトや新卒の就活サイト、求人情報誌などを活用して応募する求人数は「有効求人倍率」には含まれておりません。そして、「有効求人倍率」は景気と共に変動するという特徴がります。また、農業の収穫時期など、決まった時期に起こる変動を除いた値の「季節調整値」というものもあります。あわせて覚えておきましょう。
「有効求人倍率」は、2009年のリーマンショック後に大きく下がりましたが、その後は右肩上がりに伸びています。2014年以降は、求職者数よりも求人数が多い状態になっていましたが、2018年より緩やかに低下しているという現状です。
一般職業紹介状況(職業安定業務統計)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1.html
そして、厚生労働省が発表している「一般職業紹介状況」には、“主要産業別、規模別一般新規求人状況(新規学卒者を除く)”や“ 産業別一般新規求人状況(新規学卒者を除く)”、などとともに、“都道府県・地域別有効求人倍率(就業地別・季節調整値)(新規学卒者を除きパートタイムを含む)”や“都道府県・地域別有効求人倍率(受理地別・季節調整値)(新規学卒者を除きパートタイムを含む)”も掲載されています。こちらの指標を見ると、東京都以外でも有効求人倍率の高い都道府県を見ることができます。例えば「令和2年9月分」の 都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)では、就業地別では福井県の1.52倍が最高で、東京都の0.89倍を上回っています。そして、受理地別でも、最高は福井県の1.44倍で、こちらも東京都の1.19倍を上回る結果に。このように、地方でも「有効求人倍率」の高い都道府県はある、ということがわかります。
一般職業紹介状況(令和2年9月分)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000687617.pdf
その他、職種別の有効求人倍率も見れるので、売り手市場の職種を知ることもできます。観光業や製造業などの地方ならではの“地域に特化した”内容の仕事や、その地方でしかできないような産業もあるので、今すぐにではなくても、いずれ地方に移住して働きたいと考えている方はチェックしておきましょう。
地方の求人を探すには何が有効?
続いて、地方の求人を探すにはどのような方法があるのかについてご紹介していきます。地方の求人を探すには、いくつかの方法があります。まず1つ目は、多くの求人数を掲載している大手の転職・求人サイトです。「リクナビNEXT」や「マイナビ転職」や「エン転職」などの転職・求人サイトでは、都道府県を選択して求人を検索することができます。掲載している求人件数はもちろん、サイトの機能や情報の多さも役に立つポイントでしょう。そして2つ目は、それぞれの地方のエリアに特化した転職・求人サイト、求人情報誌(フリーペーパーなど)です。北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、九州、沖縄など、地方や都道府県ごとのエリアに特化した求人サイトや求人情報誌では、そのエリアだからこそ掲載できる企業や情報が載っています。大手サイトには載っていないような、地元の企業や仕事などと出会えるかもしれません。そして3つ目は、地方の就職・転職には外せない「ハローワーク(公共職業安定所)」です。ハローワークは、厚生労働省設置法第23条に基づき、「国民に安定した雇用機会を確保すること」を目的として国が設置している行政機関です。民間の求人サイトとは異なり、ハローワークでは企業が求人情報を掲載するのに料金が発生しません。よって、求人情報の掲載や採用などの雇用にあまりお金をかけられないような小さな会社などの情報も掲載されていることがあります。少人数のアットホームな会社で働きたい方や、地方ならではの産業の求人情報とも出会える可能性があるので、各地方のハローワークをチェックしてみましょう。
まとめ
今後も、地方へ移住してリモートワークやテレワークをする方や、移住した先で転職を考える方も増えていくかもしれません。求人件数は東京都をはじめとした都会に多いイメージはありますが、地方にもそれぞれに魅力的な仕事や会社がたくさんあります。特に、それぞれの地方で長年受け継がれている伝統的なものづくりなどの製造業や、現地の自然や環境の魅力を発揮して生まれるような観光業など、地方だからこそできる仕事もあります。ぜひ、興味のある仕事や、自分らしい働き方を見つけてみてくださいね。