2022.02.14
【PL法とは?】PL法(製造物責任法)の概要をカンタンにご紹介!
【はじめに】
自社製品の欠陥やそれに伴う事故の発生は、製造業を営む上での重大なリスクの1つです。
そのため、欠陥や事故の責任について定めたPL法(製造物責任法)は、製造企業と密接につながっています。
今回、当記事ではPL法について、歴史や定義、有事の際の対処について解説しています。
最後までお読みいただければ幸いです。
【本記事のキーワード】
・PL法とは
・PL法の歴史
・PL法における「欠陥」
・PL法における「製造物責任」
・有事の対応策
【PL法とは】
PL法とは、製造物の欠陥が原因で生命、身体又は財産に損害を被った場合に、被害者が製造業者等に対して損害賠償を求めることができることを規定した法律です。
ここでの製造物は、製造又は加工された動産を指し、機械などの工業製品だけでなく、食品も含まれます。その一方で、コンピューターのソフトウェアプログラムやサービスは「製造物」に内包されません。
【PL法の歴史】
PL法(製造物責任法)は1995年7月1日に施行されました。
PL法が制定される以前は、製造物の欠陥が原因で事故や怪我が発生しても、その製品に関する情報はすべて製造業者側が持っており、消費者が製造業者に過失があったことを立証することは、極めて難しいことでした。
欠陥商品による事故が多発し、製造物責任に関する社会的認識が変化するなかで、製造業者の「過失」の有無を問わず、製品に「欠陥」があれば、製造業者に損害賠償責任を負わせることにより、被害者の立証責任の軽減を図ることを目的として、1995年にPL法は生まれました。
【PL法の概要】
<欠陥の定義>
PL法の2条では、製造物の「欠陥」とは、製造物に関する様々な事情を総合的に考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることを指すと記載されています。
そのため、製品の安全性に直接か関わらない品質上の不良は、PL法で定義される欠陥には当てはまりません。
基本的に、欠陥には3種類存在します
①製造上の欠陥
製造過程に誤りや不具合があることで、製造物が当初の仕様どおりに作られず、安全性に問題がある場合
②設計上の欠陥
製品の設計段階で安全への十分な配慮がなされなかったために、製品の安全性に問題がある場合
③警告上の欠陥
製品パッケージ、説明書、製品本体上で、消費者が留意すべき情報(使用上の指示・警告)が十分に記載されていない場合
そのため、PL法に基づく裁判では、上記の3種類の欠陥の有無が争点になります
<製造物責任の概要>
◎損害賠償責任
PL法における損害賠償責任は、同法3条で以下のように記載されています。
「製造業者等が、欠陥のある製造物を引き渡したことにより、他人の生命、身体、財産を侵害した場合、製造業者等は、これによって生じた損害を賠償することが求められる。」
◎製造物責任の主体
PL法の2条にて、同法の責任を負うのは以下の①~③のいずれかに該当する者と記載されています。
①製造業者および輸入業者
製造業者とは、製品の製造・加工を行う業者を指し、また輸入業者とは、製造物を輸入する業者を指します。
PL法では、製造業者だけではなく、輸入した業者に対しても製造物責任が問われる点に注意が必要です。
②表示製造業者
表示製造業者とは、製造物を製造、加工した製造業者として氏名などを表示した者あるいは、消費者に対し、氏名を表示して製造業者であると認識させた者を指します。
③実質的製造業者
実質的製造業者とは、販売元のように、製造物に「実質的な製造業者」だと認識できるような氏名などを表示した者を指します。
そのため、製造物の欠陥による事故が生じた場合、PL法に基づいて、上記の①②③の主体にその責任が問われることになります。
◎免責事由
製造業者等が、下記の2つの事項のどちらかを証明したときは、損害賠償責任を免れることができます。
①開発危険の抗弁
当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかった場合。つまり、製造物を流通させる前段階での発見が不可能である開発危険がある場合を指します。
②部品・原材料製造業者の抗弁
当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がない場合。
【有事の対処法】
製造業を営む限り、欠陥製品を流通させてしまう可能性は存在します。
そのため、企業側は欠陥製品による事故が発生することを想定した、対応体制を事前に整えることが重要です。具体的な対応体制には以下のようなものが挙げられます。
◎担当者・担当部署の選定
欠陥製品の流通・事故が明らかになった場合に、対応を行う担当者・担当部署などを定めます。実際に流通が判明した場合に、被害を最小限に抑えられるように事前に、対応者の所在を明記することが重要です。
◎欠陥対応フローの作成
実際に欠陥製品が流通・事故が発生した場合の社内の報告体制、所轄官庁への報告事項、消費者への対応方法などを事前に検討し、一連の流れをマニュアル化することが大切です。
◎PL保険への加入
現在、PL法に対する損害賠償を補償する保険が、各保険会社からリリースされています。製造業を展開している企業は、このような保険に加入しておくとリスクマネジメントになります。
【さいごに】
PL法は、製造企業と消費者の健全な関係性を守るために定められています。
自社の製品が長く使われ、愛されるように、企業側は常に欠陥や事故に注意し、またもしもの場合にも被害を最小限に抑えられるシステムの構築を行うことが非常に重要です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
<新潟県で求人をお探しなら人材派遣のコーケンで!>
株式会社コーケンでは県央地区及び中越地区を中心とした人材派遣事業を行っております。
勤務時間を選べることや入社後のサポートなど、幅広い支援で求職者の皆さんをサポートしてまいります。
▼株式会社コーケンの求人一覧はこちら!
https://job-koken.jp/
▼株式会社コーケンの「お役立ち情報」はこちら!
https://job-koken.jp/column/