2020.08.11
民間企業からの転職は可能?中途で公務員を目指すためにチェックしておきたいポイント
転職をして、ワークライフバランスを考えた働き方や安定した収入の仕事に就きたいと考えたとき、さまざまな職種の中から「公務員」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。でもそもそも、転職から公務員は目指せるのか、そしてどれくらいの競争率なのか、どんな準備をしておけばいいのかなど気になるポイントはたくさんありますよね。公務員の仕事も、民間企業と同様にさまざまな職種があります。今回は公務員の種類や仕事についてご紹介しつつ、民間企業から転職する際に心得ておきたいポイントなどについてお伝えしていきます。公務員への転職を考えている方はぜひチェックしてください。
公務員ってどんな仕事をしている人たち?
まずは、公務員の仕事についてお伝えしていきます。公務員は国家公務員と地方公務員があり、国や地方公共団体の職員として働く仕事のことをいいます。公務員の仕事を簡単にお伝えすると、国や都道府県の行政に関する内容の業務を行い、営利を目的とせず、社会や生活の土台をつくり、支えること。職種としては、各省庁や都道府県庁の職員、裁判官や自衛官、教員や公立幼稚園の教諭や保育士、消防士や警察官など、幅広くさまざまです。
国家公務員の仕事の内容や試験の情報に関しては、人事院のサイトにも詳細が掲載されているのでチェックしてみましょう。
https://www.jinji.go.jp/saiyo/syokai/syokai.html
国家公務員と地方公務員の違いとは?
先ほどお伝えした「国家公務員」と「地方公務員」の違いについてもお伝えしていきましょう。国家公務員とは、国の運営や取り組み、国の政策や事業を推進していく行政サービスを提供する仕事に従事している人たちのことをいいます。また、地方公務員は、都道府県庁、市役所、町村役場の仕事、地方の警察庁や消防署で働いている人たちのことをいいます。
国家公務員は「特別職」と「一般職」、「一般職」の中でも「総合職」「一般職」「専門職」の3つの区分に分けられます。国家公務員の特別職は、国会議員や裁判所職員、裁判官などのことをいい、各機関が行う試験に合格・内定する必要があり、国家公務員の一般職は、人事院が行う国家公務員試験に合格しなければなりません。国家公務員試験は、筆記試験や面接、その他職種によって体力検査や身体検査などを行うところもあります。
国家公務員の特別職と一般職についてはコチラにも記載されています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyuyo/houkoku/040331siryou3.pdf
公務員の全体の約8割を占めている地方公務員は、都道府県庁や市役所、町村役場などで働いていることもあり、日々の暮らしや生活に身近なお仕事です。また、試験内容の区分などから「上級」「中級」「下級」にカテゴライズされることが多く、「初級」は高卒程度から、「中級」は短大・専門学校卒業程度から、「上級」は大卒程度から受験することが可能です。(自治体によって異なるところもあります)地方公務員の職種は、「事務・行政職」「技術職」「資格・免許職」「公安職」の4つがあり、各自治体が実施している地方公務員試験に合格する必要があります。なお、地方公務員試験の試験内容や方法は各自治体によって異なるため、気になる方は調べてみましょう。
民間企業から公務員は目指せる?転職時のポイントとは
公務員は試験が難しく、合格するのは狭き門だと感じている方も多いのではないでしょうか。しかし、民間企業から公務員試験を受けて転職をしている人も居ます。民間企業から民間企業への転職とは異なり、目指す公務員の試験時期や試験内容に関して調べ、試験にあわせて勉強する必要があるため、計画的に動くことが必要です。民間企業の場合、その会社が求人を募集していたら応募して受けることができますが、公務員試験は各自治体や国により試験日程が決まっています。
また、地方公務員の「資格・免許職」のように、公務員試験を受ける前に、各職種の資格や免許取得が必要な仕事もあります。
<資格や免許が必要な職種>
幼稚園教諭、保育士、教員、司書、学芸員、看護師、保健師、助産師、薬剤師、獣医師、管理栄養士、栄養士、学校栄養士、社会福祉士、臨床心理士、精神保健福祉士、衛生監視員、作業療法士、理学療法士、臨床検査技師など
そして、公務員試験には年齢制限もあることを確認しておきましょう。国家公務員の年齢制限は概ね30歳、地方公務員は各自治体により異なりますが、こちらも大体30歳以下が多いです。転職から公務員を目指そうと考えている方は、前の職場を辞める前に、試験日程や年齢制限、必要な資格や免許についてもしっかり調べておきましょう。
転職前に知っておこう公務員の仕事内容
上記でご紹介していたとおり、公務員の仕事は多岐に渡ります。民間企業は会社の事業や部署によって、仕事内容や分野が固定されることが多いですが、公務員の仕事内容は多種多様で、配属先もさまざまなので幅広い仕事に関わることができます。
まず国家公務員は、各国家機関(行政府・司法府・立法府)で働く仕事。行政府は1府12省庁や、各出先機関などで働く職員、国税専門官、労働基準監督官、外務専門職などがあります。司法府は裁判所職員、立法府は衆議院・参議院の事務局、国立国会図書館などです。
そして地方公務員は、各都道府県・市町村の役所や関連機関などで働く仕事。基礎的行政サービスは、市役所や市町村の役場や関連機関に務め、行政に関わるさまざまな仕事(住民生活の基礎手続き、まちづくり、各種施設の運営など)を行います。広域的行政サービスは、都道府県庁や、その関連施設(出先機関)などで、総合開発計画や道路や河川、公共施設の管理、国と市町村間や業者との調整業務などを行います。その他、政令指定都市での業務や東京特別区での業務も地方公務員の仕事です。
戸籍住民票の登録や、保健福祉、子育て支援、ごみや上・下水道や公園、緑地などの整備、消防、文化・スポーツ推進事業など、人々の生活や暮らしに関わるような仕事が多いことも公務員の仕事の特徴です。
休暇制度、福利厚生についても知っておこう
民間企業からの転職で公務員を目指す方の中には、ワークライフバランスを保ち、プライベートの時間もしっかり確保したいという理由の方もいるのではないでしょうか。そのためにも転職前にチェックしておきたいのが、休暇や福利厚生。福利厚生は「住宅手当」「扶養手当」「単身赴任手当」「児童手当」などの諸手当や共済組合などがあり、充実しているといえますね。
また、地方公務員の休暇制度は、「地方公務員法」により、各自治体ごとの条例が適用されます。代表的な休暇についてお伝えすると、まず1つ目は「年次休暇」。こちらは民間企業でいう「有給休暇」のことです。1日ではなく、時間で取得することもできます。次にご紹介するのは「特別休暇」です。こちらはさまざまな種類がありますが、主な休暇には「夏季休暇」「忌引休暇」「産前休暇」「産後休暇」「保育休暇」「育児参加休暇」「ボランティア休暇」などがあります。こちらは「特別休暇」の一例となりますので、各自治体の条例を確認しておきましょう。続いて、ケガや病気などで出勤が難しく療養が必要な場合に取得できる「病気休暇」があります。原則として最大90日までとなり、その間は基本的に給料は100%支給されます。そして最後は「介護休暇」です。配偶者や父母、子供などが負傷や疾病、老齢によって日常生活を営むのが困難な場合に、最大で6ヵ月まで取得することができます。
まとめ
公務員への転職を考えている方に向けて、公務員の種類、仕事内容や知っておきたい情報などをご紹介しました。公務員への転職は、民間企業への転職よりも、難易度は高いということは覚えておきましょう。公務員試験を受けるには年齢制限があります(自治体によって異なる)し、資格が必要な職種もあります。しかし、経験者採用(社会人採用)の枠もあるので、公務員として働きたいという熱い想いがある方は、試験日を目指して計画的に勉強をして、諦めずチャレンジしてみましょう。