2020.11.20
地方に移住して働く。Uターン・Iターン就職で注目すべき点とは
リモートワークやテレワークを導入する企業が増え、地方で働くことや地方の職場へ転職することへの注目が高まる昨今。既に職種によっては地方へ移住して仕事をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
地方に生まれ育ち、都会の学校に進学した方の中には、就職活動を行う際に「Uターン就職」について調べた経験がある方もいるかもしれません。今回は、そんな「Uターン就職・Uターン転職」とは実際にどのようなものなのか、そして地方で働くことの魅力をお伝えしていきます。
また、求人系のサイトで紹介されている「Iターン」や「Jターン」との違いや、求人の見つけ方などについてもまとめています。働き方や、ライフワークバランスを見直したいと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
Uターン・Iターン・Jターンとは?
まずはこの3つの言葉の意味をお伝えしていきます。
- Uターン
地方で生まれ育った人が、進学のタイミングで都会に出て、就職のタイミングやその後の転職のタイミングで地元に戻り働くこと。 - Iターン
都会で生まれ育った人が、就職や転職のタイミングで地方に移住して働くこと。 - Jターン
地方で生まれ育った人や都会で生まれ育った人が、それぞれ生まれ育った場所とは違う地方に移住して働くこと。
「地方へ移住して働く」という意味ではどれも同じですが、「どこから地方へ移住をするのか」によって使い分けられています。また、Uターンのように地元を知っている人が地元で働くことと、IターンやJターンのように全く知らない地方へ移住して働くことでは、確認しておくべきことや、注意点や心配点なども少し異なりますよね。
近年ますます、都市部への移住が増え、地方の過疎化が進んでいるという現状もあり、さまざまな企業や地方自治体などの団体が、地方移住やUターン・Iターンの就職や転職を推奨しています。また、地域活性化・地方移住の一環として、事業者に対する各種支援制度も生まれています。
中途採用等支援助成金(UIJターンコース)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805_00002.html
地元や地方にはどんな企業や仕事があるか、ご存じですか?
U・I・Jターンを考えたとき、まずは地元や地方にどんな会社や仕事があるのか気になりますよね。最近では、就職・転職などの求人サイトにも「Uターン・Iターン」の特集ページやコーナーが設けられています。また、東京と大阪のハローワークには「地方就職支援コーナー」が設置されていて、U・I・Jターンや農業、漁業、林業に就きたい方向けのお仕事紹介や相談なども行っています。
「地方就職支援コーナー」が設置されているハローワーク|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/anteikyoku/chihou_idou/sien01-1.htm
また、地方ならではの産業や、その地域で受け継がれ続けている伝統的なお仕事、ものづくりに関わるお仕事がしたい方なども、地方での魅力的な仕事と出会えるかもしれません。
仕事のことだけでなく、暮らしや生活のことも考えておこう
人生には、生活や年齢などのライフステージ、そのときの環境や状況などにより、働き方や仕事、ライフワークバランスを見直す機会やタイミングがあります。U・I・Jターンを考えるタイミングも人それぞれ。「大学だけ都会で、もともと地元で就職を考えていた」という方もいれば、「子供が生まれたので、のびのびとした環境で育てたい」という方もいるでしょう。Uターン就職・転職として地元に戻る場合は、生活環境に家族や知り合いがいるケースが多いですが、IターンやJターンの場合、はじめは頼ることができる知り合いがいない環境で過ごす必要があるかもしれません。
地方へ移住して働くということは、それぞれの環境によってメリットとなる部分もあれば、デメリットとなる部分もあります。特に生まれてからずっと都会で生活をしてきた方は、新たな仕事に慣れる前に、生活環境に馴染むことも大切です。都会と地方では、電車やバスなどの交通機関、病院や学校などの公共施設、スーパーやドラッグストアなどの場所や数なども異なります。たまには思い切りや勢いも大切ですが、Uターン、そしてI・Jターンを考えるときは、仕事と共に日々の生活のことも考えるようにしましょう。
地方で働くことの魅力について
とはいえ、地方で暮らし、働くことの魅力はたくさんあります。U・I・Jターン就職や転職を考える際、働きたい仕事で選ぶ場合もありますが、地方での暮らしや環境を優先して選ぶ場合もあるでしょう。ここでは、そんな地方で暮らし、働くことの魅力について一例をお伝えします。
- 自然が多く、人も多くないため、マイペースにゆったり過ごせる
- 満員電車に乗らずに通勤ができる
- 都会よりも安い家賃で、広い家に住める(土地価格も安いので一軒家も建てやすい)
- 食べ物や水が新鮮でおいしい
- 子育てがしやすい環境(保育園や学校の入学に関する競争率が低い、費用が安い、助け合いなど)
- 近隣や同じ地域の人とのコミュニケーションがとりやすい
- 親や親族に会いやすい(Uターンの場合)
上記以外にも、さまざまな魅力があります。どこの地域へU・I・Jターンするかによってその魅力が異なるだけでなく、気候も含め、ご自身に合う環境、合わない環境もあるでしょう。I・Jターンに興味がある方は、どんな環境でどんな仕事をして暮らしたいか、幅広く考えながら探してみてはいかがでしょうか。
就職だけでなく、転職タイミングでも!
Uターン、Iターン、Jターンについて調べるのは、大学などを卒業し、就職するタイミングだけではありません。20代のうちは都会でさまざまな経験を積み、社会人生活に少し慣れてきたタイミングや、ライフステージが変化するタイミングの転職を考える人も多いでしょう。社会人としていろんな経験を積んだり、結婚や出産をして生活環境が変わったりして、優先したいことや大切にしたいことが変わっていくこともあります。
そして、“地方で働くこと”に関して、国の就職支援はもちろん、地域活性化を図るために地方の企業や自治体などで、さまざまな取り組みを行っているところもあります。地方への移住を促進するために、公共住宅や空き家を利用して暮らしやすい環境を整えたり、Uターン、Iターン、Jターン転職者を積極的に採用したりしている企業もあります。
まとめ
今回は、地方へ移住して働く「Uターン」、「Iターン」、「Jターン」の就職や転職についてお伝えしました。テレワークやリモートワークが増え、副業やパラレルワークができる環境も整いつつある昨今ですが、これからもますます働く環境は変化していくことと思います。地方での暮らしに興味がある方、環境を変えて働きたい方、地方でしかできない仕事をお探しの方など、ライフステージや環境の変化にあわせて、「Uターン」、「Iターン」、「Jターン」も視野に入れて、転職を検討してみてはいかがでしょうか。