2022.05.02
【派遣における「クーリング」とは?】概要や背景、注意点について解説!
【はじめに】
みなさんは派遣の業態において「クーリング」をご存知でしょうか。
そもそも派遣社員には、「派遣3年ルール」という期間制限が設けられています。この背景にはたくさんの理由がありますが、今回の記事ではこの期間制限と密接にかかわる派遣の「クーリング期間」について詳しく解説していきます。
【「派遣3年ルール」とは】
そもそも派遣社員には「派遣3年ルール」といわれる制度があり、同じ派遣先企業の同じ部署で3年を超えて働くことはできません。このルールの制定の目的は主に以下の2つとされています。
①同じ事業所や部署で3年間働いた派遣社員を、正社員として雇用する努力を促すため。
②無期雇用を希望する者には、派遣元企業が条件の良い新たな派遣先を提示し、安定した雇用を実現させるため。
つまり、3年という制限を設けることで、派遣社員がより良い働き方を見つけるなど、待遇の改善が期待されるのです。
【派遣の抵触日とは】
派遣社員としての3年の契約期間が経過した翌日を「抵触日」といいます。抵触日から3カ月と1日以上の期間を空けることで、再び同じ派遣先企業で働くことができるようになります。例えば、2020年5月1日に派遣社員として働き始めた場合、契約期間は最も長くて2023年4月30日となり、翌日の2023年5月1日が抵触日となります。
【派遣のクーリング期間とは】
派遣のクーリング期間とは、抵触日を迎えた派遣社員が、再び同じ派遣先企業で働くために必要となる空白期間のことです。企業がクーリング期間(3カ月と1日以上)に派遣社員を雇い入れることをしなければ、抵触日をリセットすることができます。例えば、2023年5月1日が抵触日の場合は、2023年5月1日から8月1日までがクーリング期間となります。そのため、同じ派遣先企業の同じ部署で派遣社員として再び働くことができる初日は、2023年8月2日以降となります。つまり、3年間働いて抵触日が来てしまったら、3カ月と1日以上派遣の仕事を休めば、また同じ派遣先企業で3年間働くことができるというルールが、「派遣のクーリング期間」という制度です。
また、クーリング期間は、事業所単位で設定される場合があります。事業所単位のクーリング期間は、派遣元会社が派遣先企業にスタッフを派遣した日から3年間経過した経過した日の翌日が、スタッフ全員の抵触日となり、クーリング期間が開始します。そして、その派遣先企業に派遣されるスタッフ全員が同時にクーリング期間を空ける必要があります。
クーリング期間を避けようとして別の会社で働こうとしても、クーリング期間に影響はありません。派遣社員が派遣先企業を移ったとしても、派遣期間は通算されることになっています。クーリング期間をなくして働き続けることはできません。
【クーリング期間の注意点】
1.有給について
クーリング期間は、派遣先企業と派遣社員の契約が終了している状態です。つまり、これまで3年間の就業実績がリセットされ、残っていた有給休暇がすべてリセットされてしまいます。「派遣3年ルール」を意識して、計画的に有休休暇を消化するようにしましょう。
2.クーリング期間中の雇用保険(失業手当)の受給について
クーリング期間終了後、すぐに以前と同じ企業の同じ部署で働くことが決まっている場合は、クーリング期間中の雇用保険(失業手当)の受給が困難です。派遣社員の退職は、原則として自己都合での退職(一般受給資格者)の扱いとなり、雇用保険の受給まで、3カ月間の給付制限時間が必要です。雇用保険の受給時期よりも早く、派遣社員として再び働き始めることになるため雇用保険の受給はできません。
3.産休や育休について
派遣社員として産休や育休を取得する場合、派遣社員としての契約期間は継続しているので、抵触日やクーリング期間が延長されることはありません。
【まとめ】
今回は、派遣のクーリング期間について解説しました。抵触日やクーリング期間は、派遣社員のキャリア形成を目的とした制度です。派遣社員として働くには3年という期限がありますが、これはよりよい働き方がないか派遣元企業と一緒に模索する機会を形成するためです。雇用期限を念頭に置きながら、常に自身のキャリア計画を進めながら働くことが大切です。
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