2021.08.09
オープンファクトリーとは?|特徴やメリット、事例をご紹介!
<はじめに>
皆さんは「オープンファクトリー」をご存知でしょうか。
オープンファクトリーとは、一般に工場を開放してモノづくりの魅力を発信する地域の工場見学イベントのことです。
近年、オープンファクトリーが全国各地で行われています。
そこで、今回はオープンファクトリーの特徴や開催するメリット、事例などをご紹介いたします。
<そもそもオープンファクトリーとは?>
そもそも「オープンファクトリー」とは、工場での製造過程を一般の人に公開して、モノづくりやモノづくりのまちをアピールする取り組みのことです。製品や企業の裏側を知っていただくことで、なかなか伝わりにくいモノづくりの醍醐味、作り手の想いやこだわりを伝えることができます。工場見学は普段見ることのない「モノづくりの現場」を間近で感じられることが一番の魅力です。
<オープンファクトリーのタイプ>
オープンファクトリーには大きく「フリー見学型」と「ツアー訪問型」の2つに分かれています。以下でそれぞれの特徴を見ていきましょう。
○フリー見学型
期間中、工場を一定の時間オープンさせ、来場者が自分のペースで自由に見学できるオープンファクトリーです。
地域に点在する工場やショップなどを歩いたり、自転車に乗って回遊する地域もあれば、公共交通機関や自家用車での移動が必要な地域もあります。主催者側は、イベント期間中に臨時バスを運行するなど、来場者がアクセスしやすい工夫などが必要です。
また、どの工場がいつオープンしているのかといったタイムスケジュール、工場の場所がどこかといったアクセスマップの制作が重要になります。
来場者に実際に製作体験してもらうワークショップなどを企画する場合もあります。
○ツアー訪問型
主催者側がテーマに沿ったコースを決め、見学者を事前に募集し、ガイドの案内に従って実施するオープンファクトリーです。
徒歩で回る場合は、工場のことだけでなく、地域の特色を知ってもらう街歩き的な要素も追加されます。一方で、バスを使ったツアーも実施されます。広く一般から参加者を募集する場合もあれば、プロフェッショナル限定、学生限定など、対象者を絞ってより確実なビジネスマッチングを狙う場合もあります。
<オープンファクトリー開催の背景>
それでは、なぜオープンファクトリーを開催するのでしょうか。開催の背景として、以下のような背景があります。
◎地域コミュニティ形成の必要性が高まっている
町工場は、近隣住民に負の影響(騒音・振動・ホコリなど)を与えてしまう可能性があります。そのため、近隣住民に対して理解を示してもらう必要があります。オープンワークを通じて、参加企業と来訪者、地域住民の良好な関係性を築き、より良い地域コミュニティの形成が期待できます。
◎モノづくり産業の衰退
近年、機械化や製品の低価格化、流通の変化などでモノづくり産業が衰退してきています。工場数や従業員が減少し続けるモノづくり産業には、後継者不足や採用の困難に直面している企業が多い現状です。
こうした課題に対して、オープンファクトリーを通じて地域のモノづくり企業の魅力をPRすることで、地域コミュニティの形成、来訪者への魅力の周知、後継者不足や社員不足への解決策につながると期待されています。
<オープンファクトリー事例>
◎三条市
新潟県の三条市では、燕三条地域に古くから伝わるものづくりの文化の魅力を発信すべく、オープンファクトリーが多く点在しています。
2013年から開催されている「燕三条 工場の祭典」は、古くから金物産業で日本の暮らしを支えてきた燕三条およびその周辺エリアの工場を開放し、モノづくりの現場を体感するイベントです。このイベントをきっかけに職人になりたいという若者が地域外から訪れるようになり、地元の子どもたちへの教育にも繋がっています。
今年は地元三条市の廃工場を用いた初の展覧会が予定されています。開催期間は、10月1日から17日を予定しています。これまでの集大成となる内容だそうで、近場の方々はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
また、今年はライブ配信によるギャラリーツアーを実施し、遠方の方々でも楽しめるようなコンテンツが用意されています。
◎墨田区
墨田区は都内でも有数のモノづくり企業の集積地です。
主な業種は、金属機械系工業、プラスチック、ゴム製品、皮革製品、さらにアパレル・繊維、印刷・紙器など、生活に身近な製品が多く製造されています。
そんな墨田区では、2012年から「スミファ ~すみだファクトリーめぐり~」が開催されています。
「素材×技術×人」つながるをテーマにワークショップ型のメニューを多く取り入れ、来場者との関係性を強化する内容となっています。
<オープンファクトリーのメリット>
ここまででオープンファクトリーの特徴や事例をご紹介しましたが、オープンファクトリーを開催することで企業・参加者・地域それぞれにどのようなメリットがあるのでしょうか。
<企業のメリット>
◎子どもたちや後継者にモノづくりや地域の魅力を伝える事ができる
一般の消費者との交流、他社と繋がりができるなど、多様な人との交流が生まれます。そこで新たな受注の機会があったり、職人になりたいという人材の発掘が可能です。
◎見せる・伝えることで、社員の教育につながる
職人が率先してお客様に接するようになり、一般の方にでもわかるように仕事を伝えることが求められます。社員は改めて自社の価値を考える機会になるとともに、若者が自社に興味を持つきっかけにもなります。
一方でデメリットも..
企業にとって、オープンファクトリーを開催することはメリットだけでなくデメリットもあることを把握しておく必要があります。
<企業のデメリット>
◎開催費用がかかる
普段は稼働していない土日や祝日にも工場をオープンしなければならないため、費用面での負担、社員の協力を得ることが難しいなど様々な問題が存在します。特に小規模事業者にとっては、限られた経営資源の制約ゆえに思うようなイベントを開催することが難しいでしょう。
そのため、地域や他の参加企業とのコラボレーションや情報交換などの交流が重要です。
<来場者のメリット>
◎モノづくりについて理解を深めることができる
普段は見ることができない工場の内部を見学することができ、職人から直接、加工や製品の説明を受けることができます。
<地域のメリット>
◎地域の結びつきを強める
オープンファクトリーでは、企業・工場がそれぞれ主役となり、「自社の魅力を伝える」ための工夫を凝らし発信力を高めていきます。
それをきっかけに近隣や参加企業同士の交流が生まれ、お互いが連携して活動するようになります。この連携により、参加者同士の結びつきが強くなります。
最初は「自社」を良く見せようという意識だったものが、近隣の参加企業と一緒に活動し、さらに地域の住民も含めた「地域全体」で盛り上がってくることで、地域内での結びつきが強くなります。
◎地域のPRにつながる
地域のイメージや魅力発信をすることができ、地域プロモーションとしての効果を期待できます。それにより、地域のファンが増えたり、地域の住民がモノづくり地域の理解者になってくれることも期待できます。
<さいごに>
ここまでオープンファクトリーについてご紹介をしました。
「自社の製品・技術をアピールしたい」、「一般の方々にモノづくりに興味を持ってもらいたい」、「後継者が欲しい」と考える企業の方は、オープンファクトリーに取り組んでみるのも効果的かもしれません。
私たちが日常で何気なく使っているモノは、つくり手によって生み出されています。皆さんも一度オープンファクトリーに参加して、モノづくりを生で体験してみてはいかがでしょうか。
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