2021.01.21
【新型コロナ前後で比較!】有効求人倍率とは?
【はじめに】
新型コロナウイルスの影響で、雇用や景気に大きな打撃がある昨今、「有効求人倍率」という言葉をニュースなどで耳にしたことはありませんか?
実は、求人倍率は人材系の会社などだけでなく、求職者や転職を検討されている方にとってもが参考になる指標です。
今回は「そもそも有効求人倍率とは何か?」といった基本的な部分から、「求職者としてどのように求人倍率を参考にすることができるのか」などまでご紹介をいたします。
また、コロナ禍での求人倍率の変化などについても記載しておりますので、転職を検討されていらっしゃる方は是非ご覧ください。
【そもそも有効求人倍率とは?】
そもそも、求人倍率とは求職者1人に対して何件の求人があるかを指すもので、雇用状況や景気の状態を表す指標として利用されます。また、求人倍率に「有効」がつくものは、ハローワークでの求職票や求人数が有効期限内のものであるということです。
有効求人倍率の見方ですが、倍率が「1」を上回れば求職者数に対する求人件数が多いことになり、一般的には景気が良いとされます。一方、「1」を下回る場合、求人件数に対して求職者が多くなるため、就職が難しく、不景気な状態を表しています。
例えば、100件の求人票に対して200人の求職者がいた場合、倍率は0.5倍になりますので、就業できない人が増えてしまい、景気は傾いてしまいます。
しかし、100件の求人票に対して求職者が50人しかいない場合、倍率は2倍となり、求職者が仕事を選ぶことができる状態になります。
1より高い → 仕事の数>求職者
1より低い → 求職者>仕事の数
簡単に言えば、「求人倍率が高ければ就職しやすい状況、低ければ就職が難しい状況である」ということです。
つまり求人倍率を見れば、自分の希望する職種や地域などでのおおよその就職難易度がわかるようになるのです。
しかし、必ずしも求人倍率が全てではありません。
有効求人倍率はハローワークのデータしか反映されていないことや、掲載されている求人票には正社員以外のものも含まれているため、求人倍率だけで就職の難易度を判断はしない方が良いかもしれません。
転職を考える際は、自分の希望の業界がどのような状態なのか、働く地域にどのようなことが起こっているのか…
などをしっかりと分析した上で、求人倍率を参考にしてみてはいかがでしょうか。
【新型コロナウイルスを受けて、求人倍率はどのように変化したのか?】
求人倍率についての基本をおさえたところで、いよいよ本題です。
昨今、新型コロナウイルスで打撃を受けた会社が新規の採用を止めたり、活動規模を縮小するなどの動きが多くあります。
そのような中、求人倍率はどのように変化したのでしょうか?
結論から言えば、(業界や地域によってかなり波があるものの、)全体的に倍率は低くなっています。
リーマンショックで底を打って以降、順調に上がった有効求人倍率は、最高で1.6倍まで上昇していました。
しかし、2020年の11月時点では全国平均1.06倍まで下降し、最も低かった沖縄県では0.64倍まで下がってしまいました。
また、業界や会社の軸で考えれば、有効求人数の減少が顕著に表れています。
最も顕著だったのは2020年の9月の有効求人数で、同月前年比で25%以上も下落しました。
業種で見れば、「飲食・宿泊業」などが32%減を記録し、「小売・卸売系」サービスも28%以上下落しました。
緊急事態宣言などで外出が自粛された分、大きな打撃を受けたサービス業はかなり減少してしまいました。
ただ、従来こうしたサービス業で働いていた方々が失業者となり、他の業界に転職することも考えれば、サービス業以外にも有効求人倍率が下がってしまう業界もあるかもしれません。
ちなみに、新型コロナウイルス以前にあった事例としては、「オイルショック」や「バブルの崩壊」、「リーマンショック」などがありました。
こうした災難が起きないことが一番ですが、人気だったサービス業などが打撃を受けた一方で、IT業界などで追い風を受けている会社もありますので、これからどのように推移するのか、注目ですね。
【直近1年間の有効求人倍率の推移】
それでは、今までの内容を踏まえて、直近1年間*の有効求人倍率の推移を見てみましょう。
*直近1年間=令和元年(2019年)10月〜令和二年(2020年)10月
厚生労働省から発表されたデータを見てみると、新型コロナウイルスの感染拡大が進んだ2020年の2・3月以降から7月まで、求人倍率は急降下していることがわかります。
その後は緩やかになっていますが、現在(この記事を執筆している2021年の1月)緊急事態宣言が出されていることもあり、このあとさらに降下することも考えられます。
▼厚生労働省ホームページ|一般職業紹介状況(令和2年10月分)について
※厚生労働省のホームページから引用
【さいごに】
今回は有効求人倍率の基本的な部分から、新型コロナウイルスとの関係性などについてご紹介しました。
文中でもご紹介しましたが、有効求人倍率は就職の際の大きな判断材料になります。
新型コロナウイルスで就職などが大変な時期ではありますが、今回の記事を踏まえて転職や就活の際に求人倍率を参考にしてみてくださいね。