2022.05.16
【スマートシティとは?】基本的な知識から活用事例までを徹底解説!
【はじめに】
みなさんは「スマートシティ」と聞いて何を思い浮かべますか?
あまりに現実離れして、近未来的なSFのイメージを思い浮かべる方も多いかも知れません。
スマートシティは現在国や自治体も力を入れている分野であり、実現することで私たちもたくさんの恩恵を受けることができます。
今回は最近よく耳にする「スマートシティ」について、基本的な知識から実際の活用事例も踏まえてご紹介いたします。
スマートシティでどんな生活が実現するのか、ご興味がある方はぜひご覧ください。
【そもそもスマートシティとは?】
そもそもスマートシティとはどのようなものなのでしょうか。
内閣府のHPでは下記のように説明されています。
スマートシティは、ICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場と定義されています。
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/smartcity/index.html
簡単に言えば、「通信技術を用いて生活を豊かにする」ということです。現在、都市部では様々なニーズがあり、それぞれの人にとって適切な情報を届け、活用することが必要になっています。
スマートシティでは、これらの課題に対して情報通信技術を用いてアプローチし、災害時や交通渋滞、防犯、エネルギーの利活用などの分野で新しい機能をもたらします。
【何が実現できるのか?】
スマートシティで実現できることはたくさんあります。今回は日常生活でもわかりやすい内容をいくつかピックアップさせていただきました。
●交通渋滞を避けることができる
スマートシティでは都市部の様々な事象がデータ化されます。現在、交通渋滞は発生後に顕在化しますが、巻き込まれたあとでは手遅れです。
スマートシティではこうした渋滞のリスクになり得る事故などを検知し、迂回路が事前にわかるようになったり、電車では遅延を事前に知ることができるようになります。
●新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルス対策では、スマートシティ実現によって「密の回避」を促すことも可能になります。
都市部に設置されたカメラなどで人流を測定し、時間とエリアごとに密が起こりやすい場所を提示することも可能になります。
●自動運転
車やバスの自動運転もスマートシティで実現するサービスの一つです。現在、高齢者の運転することで起こる交通事故が多発したり、公共交通機関の運転手不足などが課題になっています。
これらの解決手段として、自動運転をすることで事故を未然に防ぎ、運転手の人手不足の問題も解決することができます。
●市民データの管理
今まで区役所や市役所に行かなければ手続きができなかった書類などの電子化や自動化もスマートシティで実現が可能になります。
脱ハンコ文化の文脈とも重なりますが、スマートシティでは市民レベルでも「便利」を享受できるようなサービスが多く実現すると考えられています。
【実際の活用事例】
それでは実際の活用事例を見てみましょう。
●群馬県前橋市で自動運転バスの運用
少子高齢化現象に伴う労働人口の減少の影響もあり、バスの運転手不足が大きな課題になっています。群馬県は日本国内で最も免許保有率が高い地域であり、多くの方が車に依存しています。
しかし、同時に高齢者の運転も問題になっており、免許を返納した高齢者が移動する際に長い距離を歩かなければいけない点の解決手段を探していた際に自動運転技術が挙げられました。スマートシティでは都市の交通データを収集し、高い通信・運転技術でバスの自動運転を実現しました。これにより、高齢者の移動問題やバスの運転手不足の問題も解決の方向に向かっています。
●ポルトガルリスボン市
海外の事例も見てみましょう。ポルトガルの首都リスボン市は、人口55万人を擁する大都市である一方で少子高齢化が進んでいます。そこでリスボン市はNECと提携し、交通・エネルギー・防災・環境などの都市データの統合を行い、各種データの収集と活用をしています。観光産業が有名となっているリスボン市では、気象や地理などを踏まえた観光客へのアテンドや、市民向けには不審物の置き去りや違法駐車の検知を行い、セキュリティと安全の文脈でもサービスを提供しています。
【スマートシティの将来性は?】
スマートシティは内閣府や各自治体が民間企業と協力して積極的に取り組んでおり、将来性の高さが見込まれています。
都市のニーズが多様化している中で、スマートシティによるデータ収集やそれらの活用は非常に魅力的であり、人手不足などの問題も解決できる手段として注目されています。
特に交通の分野などでは、スマートシティを中心に法整備が進められていくことも考えられており、市民の生活レベル向上に向けて様々な実証実験が行われることが予想されます。
【さいごに】
さて、ここまでスマートシティに関する知識から将来性に関する説明をさせていただきました。
まだ実施が難しい分野もあり、実現に向けて反対の意見も多い分野ではありますが、実現すれば都市の多くの問題が解決され、市民の生活レベル向上も見込まれます。
各自治体も民間企業と協力をしてテスト運用を開始している事例もありますので、今後の動きに注目が必要です。
あなたの住んでいる自治体ではどのような取り組みがされているのか、気になる方はぜひ調べてみてください。